午前着速達で

プチプチが無ければ 発泡スチロールの綿でいいし それすらなければ寄せ集めの古着でいい さいあく、なんなら新聞紙を丸めたっていい 緩衝材の代わりなんてなんだっていい すきまに入れるくらい柔らかくて スグ捨てられたらまあそれでいい 捨てられなくったっ…

インテンシブ

ちいさい頃に嬉しかったことの一つ、鏡のなかの自分が、すっかり知らない自分だったとき! この鼻が、この目が、この輪郭が、この瞬きのしぐさが、この古びたこの鏡の中のこの生き物が、なんたる理由で私といえるのか? この鏡という装置がそう定義するだけ…

はやく大人になりたい そう思い続けている 幼い頃からはやく大人になりたかった それはなんでも出来るようになるから その意思は今も変わってない でも同時に、幼心におもった 女にはなりたくない 身も心も具合が悪そうに思えたから 過ぎていく月日の中で少…

おめでとう祭典

こういうときに体感するメディアのあさましさにいきが苦しくなる、これは夏の湿度のせいなのか、ゆるせないけどどうしようもない。 なんで他国の客席で出来て自国でできないことを讃えるのか、膨らんだ自尊心はくらべることで満たされ、そこに生まれる虚栄の…

すばらしいこの泡沫に

このよの不条理と理不尽から逃げだすようにそとへ出た しみる雨のおとに共鳴する心の端をたばこで紛らわせようとした はたと思い出した用事に思い描いたゆくさきを変えて箱とライターを仕舞った 歩を進めることの理不尽と進むことでしかぬぐえない不条理とを…

ことばにした時に真実からかえって遠ざかる さとりと口にしたときにさとりでなくなる ことばの無いところに生まれた人々が ことばに濡れて靄がたち 自分のことばにさ迷う 言われることに言うことに 際限はあるか 責任はあるか 誠はあるか そこなにをもとめる…

アンドロイド

春だから 若いから 彼氏がいないから 低気圧がきてるから 花がちってしまうから 未熟だから 道が混んでいるから もうすぐ休みが終わるから なにか吐き出しているようで すり減っていく自分に名前をつけて ふに落ちたような顔をして また一年がまわりだすのだ…

0とか1とかじゃなくて

0とか1とかじゃなくてもっと別な感覚がわたしにとっての0は、心もからだも何も纏わないべたつかない状態で優しい真綿につつまれることやわらかい真綿との境目が無くなるまでゆらゆらと脳みそを閉じることわたしにとっての1は、みえたその先まで息継ぎもそ…