はやく大人になりたい

そう思い続けている

 

幼い頃からはやく大人になりたかった

それはなんでも出来るようになるから

その意思は今も変わってない

でも同時に、幼心におもった

女にはなりたくない

身も心も具合が悪そうに思えたから

 

過ぎていく月日の中で少女が大人になるためには女にならねばならないのだと知った

そういって諦めることさえも大人になるということなのだと

聞き齧りの歴史の枷をひきずっていくことが

大人の使命なのだと

 

だが、大人になったいまも

はやく大人になりたいと思う

歳を取ってみるだけが芸なのか

大人になることで動かせるようになった様々をわたしは愛しているし、考えてもいる

まだ大人になりたいと思ったとき

わたしが欲しいのは自由なのだとわかった

 

少女のこころで自由が得られたなら

なんという名の幸福だろうか

体がおんなになってしまっても

少女でいることはできるだろうか

そんな行く果てのないよろこびが

くすぶるこの感触は

わたしの中の少女だろうか