すばらしいこの泡沫に

 

 

このよの不条理と理不尽から逃げだすようにそとへ出た

しみる雨のおとに共鳴する心の端をたばこで紛らわせようとした

はたと思い出した用事に思い描いたゆくさきを変えて箱とライターを仕舞った

歩を進めることの理不尽と進むことでしかぬぐえない不条理とを

夏のよるが噛みしめているようだった

トコトコ キリキリと歪んだ地面は動いていた

すべての縮図にくやしさがにじむ

これになるなら死んでやるとおもったそのときにはもう遅く

淘汰されるすべてのいきものへ

しけた気温はきれいなことに姿を変えて

餞のように